南三陸町と石巻市北上の境にある神割崎は、昔から境界争いの絶えない場所だったようで、境を示すために築かれたと思われる塚が現在でもところどころに見られます。ある時、この海岸にクジラが打ち上げられました。むかしはクジラの肉は食料として、膏は燃料として、骨や皮などもいろいろな道具の材料として非常に貴重でしたから、岬を挟んだ長清水村と十三浜村とが互いに自分のものだと言い張って大喧嘩となりました。あわや血の雨かと思われたその時に、雷のような大音響とともに岬の大岩が裂け、鯨もろともまっぷたつになってしまいました。両方の村人たちは、これは「争うことなく仲良く鯨を分け合いなさい。」という神様のお告げであろうと考え、割れた岩を村境とし、以後、境界争いをしなくなったということです。 この裂け目は現在でも両市町の境界になっています。
狭い割れ目から朝日(日の出)を見ることが出来ます。 夏至から冬至に向かうときは、10月下旬ころ。冬至から夏至に向かうときは、2月ごろのようです。 |